もっ~と!大人のジャーマン

吹き矢3級の戯言雑記 (リンクは御自由にどうぞ)

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人としての不幸抱え 人でないもの 夢見る 拡散する可能性を 収束させて 掴み取る

 
 なんとなく森田季節祭り!(挨拶)


・【感想】【小説】ともだち同盟
ともだち同盟ともだち同盟
(2010/06/26)
森田 季節

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千里、朝日、弥刀。二人の女子と一人の男子。三人の高校生はある誓いを交わし""ともだち""になった。しかし、その「世界」は朝日が弥刀に告白したことで揺らいでいき、ある日……。新世代青春小説の旗手、誕生!!


 森田季節というラノベ作家から、ライトという文字を取っ払うとどうなるか? 毒薬のような砂糖菓子と相成りました。なにこのビターダーク?w なんというか歪な物語としか形容ができない。まるでタイトロープのような足場がぐにゃっとした不確かさに不安になる。これは森田季節氏の作品全般に言えることですが(特にビター・マイ・スウィートシリーズに顕著)、フィールドを文藝という新たな場所に移したことにより極まったって感があります(むしろあるべき場所に収まったって印象すら受ける)。

ひとつ。けっして、お互いの秘密をばらさないこと。
ふたつ。けっして、ウソをつかないこと。
もし、言ったら、とてもひどい罰があたる


 タイトルでもある"ともだち同盟"の規約がこの二箇条。そもそもにして"ともだち同盟"というワード自体が変な言葉ではある。"ともだち"と"同盟"この二つのワードを結びつける誓いがなければ、千里、弥刀、朝日の三人の関係は成立せず、この歪な人間関係は"ともだち"でも"同盟"でもなく、やはり"ともだち同盟"いう言葉が最適なのでしょうね。

今、死にたいですね


 この作品の牽引役であり、狂言回し役が自称魔女こと千里であることは疑いはないかと思う。千里の口癖とも言えるこの「今、死にたいですね」の台詞は、彼女自身の在り方をよく顕している言葉だと思う。本当に死にたいわけでもないし、ましてやインディアンの「今日は死ぬにはいい日だ」ように、いつ死んでも後悔がないように一日一日を悔いなく生きていこうなんて死生観でもなく、楽しいから死にたい! 幸せだから死にたい!みたいな、ただ消費される言葉。喜怒哀楽でいえば怒と哀がスッポリと抜けている千里の人間性を明確に印象づける台詞だと言える。かといって刹那主義の快楽至上人間という訳でもない。後に朝日が語るように千里の生き様は一方通行で進むべき終点への道に向かって何処までも進んでいく、折り返すことはできない生き方なのでしょう。そんな千里の引力に振り回される形で弥刀と朝日は交際を始め、友達関係から恋人関係へと関係を変える。"ともだち同盟"という誓いの元に友達であれた三人の関係は、奇しくも"ともだち同盟"を最初に提唱した千里の手により崩れてしまう(千里からすれば最初から決まってた筋書きだったのだろうけど)。この物語は"ともだち"という関係を例に、人間関係に意味を問うことについてを問う。魔女の呪いのように底意地の悪い問いである。一応、この物語のラストでは断絶と残された者の決意を持ってその問いに答えていますが、それはこの物語の答えであって、それこそ人の数だけ答えのある問いなのでしょう。

 千里のエキセントリックなキャラに隠れて目立ってはいませんが、この物語で真に理解不能というか、個人的に恐ろしいと感じた存在は朝日ですね。ある種、この作品の中でファンタジーの住人とも言える千里の行動理念については、共感はできない真似もできないって意味でわからないなりにわかるのですよ……魔女という記号を含めて。ただ、千里に抜け落ちてる喜怒哀楽の怒と哀を埋めるように、喜怒哀楽を振りかざす朝日の人間すぎるほど人間らしさが逆に怖い。魔女の呪いにより断絶し、その呪いを一身に浴びたまま、それでも己の歩くべき道を魔女と闘い続ける道を選ぶことのできる朝日に対して、共感できても真似はできない、わかるんだけどわからないって意味で底知れない恐怖を感じた。作中に登場するキャラの中で誰よりも人間らしい人間の朝日が一番怖い存在と感じるのだから皮肉としか言いようがない。

 総括すると、ビターダークな青春ミステリーの謳い文句がピッタリの作品。真っ黒すぎて黒光りしてるのだけど、不思議と読後の感覚は悪くないのは、清濁併せ呑んだ物語だからかもしれません。あと、鉄道マニアの森田氏なのでかなり電車や駅が重要なファクターになっており、近畿地方の駅に詳しい人なら、より一層楽しめる作品だと思います。


・【感想】【ラノベ】不堕落なルイシュ
不堕落なルイシュ (MF文庫J)不堕落なルイシュ (MF文庫J)
(2010/06/23)
森田季節

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「兄さんは無価値です。まるで犯人のわかっている推理小説。まるで砂漠の中の船。まるで諸葛孔明の退場した後の三国志。まるで穴のあいたコン○ーム。それから――」優等生で名門の出である神倉ミタマは、心優しい同級生・贄川那智に恋をしている。しかし、ある日那智は足に重症を負ってしまい、この社会の決まりによって「処理」されることが決まってしまう。那智を救うことのできる唯一の手段「弱者保護権」。その権利を持つ姉・珠花に会うために、妹・涙珠の協力を得て家を飛び出したミタマだったが、珠花はしばらく見ないうちにとんでもない人物になってしまっていて――。


 よしダークだ!w
先に"ともだち同盟"を読んでしまったせいで、森田季節は遠いところに行っちゃうのかなァ……みたいな危惧を抱いたりもしましたが、これを読んで安心しました。いつもというか原点回帰ウォーカーズ以降のMF文庫J作品に代表される荒唐無稽力というか不条理に溢れてる。あとがきを読んだら森田季節の原点とも言える作品と本人が述べていましたが、なるほどと納得できるぐらい、先に出た作品に影響を与えたのだなァと思われる森田節といえるものがチラホラと見受けられました(発売されたのはこの作品の方が後なんだけど)。

 人間が不老不死となった世界で人口が増えすぎないように、60歳になると強制的に処理され、世界に貢献した人間だけが永遠に生きる権利を手にすることが出来るといった典型的なディストピア世界が舞台。このようなディストピアな社会が健全な人間を育むはずもなく、この作品の登場人物はほぼすべからず歪んでおりますw ここら辺の歪み系変人を書かせれば実に森田季節はイキイキしてる。しかし本作は、森田作品の中でも特に不条理を感じさせる内容だなァ……、それは世界の体制であり、主人公・ミタマの周りを取り巻く人々であり、主人公のミタマすらも不条理だったりはする。そんな不条理のオンパレードマーチの中で、この作品が掲げているテーマは、歪んだ形ではあるけども家族愛だったり、人を救いたいと感じる隣人愛……いまのところだけどw(今巻は導入っぽいので、なんとなくオチというかヒドイ裏とかがありそうな悪寒はないでもない)。

 一応、ミタマが好きになった女の子の那智を助けるために、社会を敵に回しても頑張るって大筋ではあるのだけど……タイトルが"不堕落なルイシュ"とあるように妹・涙珠がヒロインですね。マニュアルにないことはできない主人公・ミタマの情けなさ(逆に言うとマニュアルにあることなら出来るってことだけど)を、妹の涙珠がリモートコントロールよろしく誘導することによって導いていく。家族の危機に手を差しのべないなどは堕落であり、それが不堕落を誓う彼女の矜恃であったとしても、端からみれば歪みながらも兄を慕う不器用な妹に見えて可愛らしい。逆に那智の全てを是とする生き方の方が怖いというか人間性を感じさせない恐怖がある。次巻以降、当面の目標である那智の"弱者保護権"を入手するための展開になるだろうけど、個人的にこの作品が進もうとしてる場所は、冗談のような笑い話のような悲劇に向かっているように思えてならないのは、偏に庇護対象である那智自身が歪んでるから感じるのかも知れない。ミタマは那智を受け入れるだけじゃなくて、向かい合って立ち向かわないとダメじゃないかなァと思う。

 若干、キャラの個性の強さとダークな世界観が白々さを感じる作品ではありましたけど、中々に続きが気になるというか、次巻次第で化けそうな予感のあるシリーズなので続刊が楽しみではあります。


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[ 2010/07/13 17:14 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

人生が夢なら 夢の終わりは何処に? 物語ならきっと 新しい夢 果てしなく続くんだ 真実へと

 
 ムダヅモ無き改革キャスト発表キターーーーーーーーーーー!(挨拶)
> プーチン:中田譲治

> プーチン:中田譲治

> プーチン:中田譲治

ジョージキターーーーーーーーーーー!ww


 実にティモシェンコ:佐藤利奈と共に素晴らしいキャスト(主に俺がうれしいといふ理由で)。しかしながら将軍は?将軍がいないよ?w この際、島田敏氏でいいよ将軍w(ボクの中のやられ役は全て島田敏氏で賄えます)。


・【感想】【小説】すべての愛がゆるされる島
すべての愛がゆるされる島 (メディアワークス文庫)すべての愛がゆるされる島 (メディアワークス文庫)
(2009/12/16)
杉井 光

商品詳細を見る

 太平洋の真ん中に浮かぶ、珊瑚礁に囲まれた名前のない小さな島。
 そこには教会があり、神父とわずかな島民が暮らし、訪れるどんな二人も祝福され、結婚式を挙げることができる。
 同性愛、近親愛、不倫愛、そこではあらゆる愛がゆるされる――その二人が、ほんとうに愛し合っているかぎり。
 その島を訪れる、父親と娘。それから姉と弟。
 ある者は愛の存在証明のために。またある者は不在証明のために。
 様々なものを見失って渇いた者たちの、いのちと時間がその場所で交錯する。
 常夏の楽園で結びつけられる、いくつもの、狂おしく痛ましい愛の物語。


 まあなんて言うか……あらすじを読む限りも、ラノベと呼ばれるジャンルの作品ではないと思う。これまでの杉井作品とは一風違った作風。新レーベルのイメージに合わせてくるあたりは、流石に小器用。その引き出しの多さに驚かされる。

 読んでいる途中である程度の叙述トリックには気づいてしまったのだけど、"あとがき"まで含んで1個の物語って作風は新しいな。おおよそのテーマというか本質は"あとがき"で全て語られており、いささか蛇足で穿ち過ぎかと思わなくもないけど、”電撃文庫で育った大人たちに贈る”ってレーベルのコピーを考えるならこれぐらいパンチの効いた事をやるのもありかと思う。

 内容的には、あらすじにも書いている通り"狂おしく痛ましい愛の物語"であり、愛を是としたい人にとっての存在証明と愛を否としたい人にとっての不在証明。愛と呼ばれるものがあるから是否が発生する以上、それは心の在り方の問題。この物語に登場人物する人物達はみんな"愛"と呼ばれるモノに呪われている。狂おしく痛ましい愛の連鎖に捕らわれている。もし彼らの呪いを解呪する術があるとするならば、それもまた彼らが狂おしくも痛ましく恋い焦がれた"愛"と呼ばれるものだけなのでしょう。その結果は美しくも切なく、それでいて力強い決意の結晶の象徴を持って作中で語られた通り。だからこれは"あとがき"が述べる通り、真偽の話であって偽命題から発生する真命題。真実ではない、偽りない"物語"と呼ばれるものなのでしょう。故に"すべての愛がゆるされる島"という奇跡のような島もきっとどこかにあるんでしょうね(いささかメタな話ではありますが)。


・【感想】【漫画】蜻蛉迷宮 2
蜻蛉迷宮 2蜻蛉迷宮 2
(2009/12/18)
不明

商品詳細を見る

 そうそう!もともと谷川流って作家は、こんな物語を好む気質だったんだと、涼宮ハルヒシリーズが一人歩きしすぎて忘れかけてたw 絶望系 閉じられた世界みたいな。だから涼宮ハルヒの人だからといって手にとって読むと痛い目をみますw つまり狂人の前では変人のパーソナルなんて消し飛びますよってお話であり、この世界に涼宮ハルヒが存在してたら、ホラー映画の開始5分で死亡するカップルのごとく消費されますよって訓戒。好奇心は猫を殺す。

[ 2009/12/18 17:19 ] 小説 | TB(0) | CM(1)

もしも叶うなら 肉体という ハードウェアからも 軛 解き放つよ

 
 今日から俺の仕事は白光のヴァルーシアです(挨拶)
しかしいつもながら、このシリーズのRitaの仕事は実に素晴らしい。


・【感想】【漫画】ハチワンダイバー 13
ハチワンダイバー 13 (ヤングジャンプコミックス)ハチワンダイバー 13 (ヤングジャンプコミックス)
(2009/11/19)
柴田 ヨクサル

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 超美人100人だっていずれババァ100人だ 旬は逃すなメソッドであり、これが老獪というものだのメソッド。そして菅田の出番はなしw


【感想】【小説】神林長平トリビュート
神林長平トリビュート神林長平トリビュート
(2009/11)
早川書房編集部

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 ふむん、どいつもこいつも神林長平作品が好きですね。まず好感が高いのは、この参加者全員が神林作品を好きだと言うことが伝わってくる姿勢であり雰囲気であろうか。

 今の若い世代に神林長平を説明するならば、OVA戦闘妖精雪風の原作者と言うのがてっとり早いのかな? 自分の場合も20年ぐらい前に"敵は海賊"のOVAを観て、それに触発されて神林作品を読み始めた経緯あるので、まあ世代は違うけども人のことは言えない。いつの世もミーハーな感覚は物事の導入に際して力強い原動力なのです。

 閑話休題、この作品の素晴らしきかなは、神林長平という今も昔もSF小説業界を代表する才人のセカイを、新世代の作家がトリビュートという名を借りて挑戦してる点でありましょうか。様々なアイデア・技法・手法を駆使して、神林作品のアンソロジーという枷すらも武器に変え、ある人は大胆に、ある人は繊細に、それでいてどれも神林セカイであり得る妙。偶然にも、このトリビュートされている作品全てと、トリビュートに参加されてる作家さん全員の作品に触れていた事もあってよく分かるのですが、各作品ともまさしく原典をリスペクトしながらも、各々の作家でしか書き得ない逸品に仕上がってます。どの作品も神林作品でありながら、参加者の個性がよくでた、その作家オリジナルの作品。まさしくトリビュート・アルバムの様相。故に神林長平トリビュートというタイトルはこの上なく相応しい(神林長平氏の序文を読んでいると、本人は若干くすぐったそうな感はあったけどw)。

 簡単に各エピソードの雑感を。

・狐と踊れ(桜坂 洋):輝ける神林長平作品デビュー作であり、このトリビュートの頭を飾るのに相応しい作品。人間から胃が逃げ出す荒唐無稽な内容に当時面食らった記憶がありますが、原作が胃に逃げられた人間視点だったのに対して、トリビュート版は人間から逃げ出した胃を主人公に据えて、彼らの胃生を描いてる、更に輪をかけて荒唐無稽な物語になっているのが面白い。

・七胴落とし(辻村 深月):原作は感応力と呼ばれる超能力をもった子供達の物語。この感応力は子供しか持ち得ず、それ失うことにより大人になってしまうこと。それを恐れる主人公・三日月の焦燥を色濃く描いていた作品(今にして思えば感応力を邪気眼と置き換えて読んでみると面白かもしれない)。対してトリビュート版は世界観も設定も大胆に改変されており、その到達点は真逆とさえ言える。原作の感応力を猫と話せると置き換え、子供は猫に色々と教えて貰う。そしてやがて子供は猫と話せる事を忘れてしまい、大人となる。それは悪いことではなく生きる上で必要な通過儀礼。

・完璧な涙(仁木 稔):銀妖子と呼ばれる正体不明の存在に支えられる、ほとんど砂漠となってしまった世界に生きる無感情な少年・本海宥現(もとみひろみ)と、砂漠で旅賊として生きる不死の存在、魔姫(まき)とが出逢う事から始まる、時空を越えたラブロマンス(実際はもっと複雑なテーマなんだけど割愛)。トリビュート版は別れ別れになってしまった、宥現と魔姫が再び出逢うまでを描いたエピソード。神林作品史上でも、最高レベルに魔性の女と言える魔姫を実に妖しく、瑞々しく、それでいて恋する乙女として描いている筆力は素晴らしい。まさにファム・ファタールの名に相応しい。
このエピソードで砂漠で魔姫と出逢うことになる人物と、原作でレイラから生まれた魔姫と再び出逢うことになる宥現との対比が実にエグく原作ファンもニヤリと出来ること受けあいである。

・死して咲く花、実のある夢(円城 塔):この世には二種類の人間がいる。死んでいることに気づいている者と、そうでない人間の二種類。この謳い文句から始まる死生観を、箱の中の猫(シュレディンガーの猫)に見立てられた登場人物達を通して、滑稽に、それでいて量子学・仏学的に描いた怪作。対してトリビュート版は、何処ともしれない未来で語られる実験を通して語られる死生観。箱の中の猫の方が箱から目覚めたら宇宙が滅びてる可能性を実験してるって物言いは実にユニーク。

・魂の駆動体(森 深紅):未来において自動車は全自動となり、本当の意味で自動車となってしまった。とある老人ホームで隠居生活をする元エンジニアの老人二人が、昔を懐かしみ自分たちが乗りたいと思うガソリン車の設計図を描くことから始まる工学SF。彼らの描いた設計図は未来を越え、やがて彼らの元に戻ってくる。実際に車を作りたいという情熱と共に。トリビュート版は、ホントに老人達が車を作ってしまうアグレッシブさ。人はより便利になるように文明を発達させながらも、逆に不便さというか面倒臭さをも求める。自動車ではなく、あくまでクルマを求めた老人二人はまさにそのタイプ。原作の想いが未来を越えるのに対して、トリビュート版では想いが世代を越えて受け継がれる。実に対比が楽しい一作でした。

・敵は海賊(虚淵 玄):言わずと知れた、神林氏の代表作の一つ。氏の作品の中でも、一、二を争うほどエンターテインメント性に溢れた作品。海賊課の刑事・ラテルとその相棒の黒猫型宇宙人・アプロの二人組の刑事と彼らが乗艦する対コンピューターフリゲート艦のA級知性体・ラジェンドラ。彼らと伝説の海賊・所椁サ(ヨウメイ)との対峙を描いた作品で、実に魅力的なキャラに溢れたシリーズ。対してトリビュート版は、他の神林作品に代表される氏特有の自己に対する問答をメインにしており、実に敵海らしくないのだけど、ラストまで読むとなるほどなるほど敵海でしかあり得ないと思わせる。原作ファンになら、所椁サとラック・ジュビリーが話してたトイレの扉のプログラムの話と言えば、あぁ、あのエピソードかとニヤリとされる方も多いと思われる。彼が狩猟の女神の名を冠した相棒を手に入れる物語。

・我語りて世界あり(元長 柾木):無個性な世界を舞台に、名前を付けられた3人の子供だけが個性を持ち、彼らは過去の人間の情報から、それに擬態して追体験する遊びに興じる。そして彼らを見つめる語り手としての名を持たない"わたし"の存在。言葉と自己をテーマにしている実に神林氏らしい作品。対してトリビュート版は……これは元長作品であると断ずるになんの躊躇いもない内容w 実に元長柾木という作家がテーマに掲げてるものは、我語りて世界ありと通ずるものがあり、氏の全死大戦に代表される可能性マトリクスと自走性システムの闘争は、どこか神林世界を臭わす。sense offの認識によって世界を変える認識力学なんかは、その最たるモノだと感じる。故に親和性の高さは折り紙つきであり、神林作品を母体にしながら元長作品であり得ると言える。

・言葉使い師(海猫沢めろん):言葉の使用が禁じられた社会、人々はテレパシーなどの感応によって自己を表現できる世界を舞台に、主人公が一人の言葉使い師と出逢う。神林作品の中でも最重要ワードと言える文字通り"言葉"を扱った作品。トリビュート版も原作と同じように言葉の魔力を扱い、言葉により増殖される言葉の集合体である物語を語る。そして我々読み手も、行間から語りかけてくる言葉との対話により物語を紡ぐ。この連鎖の中でトリビュート版が辿り着いた場所が、原作との真逆の結論であり願いなのが実に興味深い。


[ 2009/11/20 22:35 ] 小説 | TB(0) | CM(2)
プロフィール

ふきにゃ

Author:ふきにゃ
エロスとカオスと人外ロリをこよなく愛するマシーネン・アーリア人。

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