もっ~と!大人のジャーマン

吹き矢3級の戯言雑記 (リンクは御自由にどうぞ)

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誰かのために生きる 逃げの口実(いいわけ)したくなかった

 
 冷静になって考えてみると、コレ文庫版ってことか……(挨拶)
どうも自分は元長柾木と聞くと居ても立ってもいられなくなり冷静さを欠く…もっといっぱい仕事してくれればなぁ……元長せんせぇorz


・【感想】【ゲーム】eden* They were only two, on the planet.
eden*eden*
(2009/09/18)
Windows

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 元々、鏡遊氏は淡々とした文章を書く方で(御影氏もそうだが)、efなんかもそんな印象を受けましたけど、eden*の場合はミドルプライス作品って尺的なこともあり極まったかなと。もちろん尺だけではなく意図してのこともあるだろうけど、恐ろしくプレイヤーに行間を読むスキルを要求する作品。へうげものの古織様の言葉を借りるなら、目を凝らさなければわからない恐るべきわび数寄の要塞。額面通り淡々と読み進めれば、美麗なグラフィックにムービー、心地よいBGM、無駄を廃したテキスト、あっという間に雰囲気ゲーの完成ですよと。

基本の展開は難病モノ作品の亜種と言える。滅亡が約束された地球を捨てて脱出する計画の要となった少女(シオン)とその護衛の任につくことになった青年(亮)との物語であり、死期の近づいたシオンの外の世界をみたいという最期の願いを叶える物語。難病モノの亜種と言ったのは、シオンに寄り添い続けることは、滅亡する地球に残るということで亮にとっても死を意味するということ。
それらを下敷きにテーマは死生観なんだろうけど、死生観って言い切ってしまうにはなにか憚られる気がする。んじゃ何よ?と言われたら解らないので今後の課題ってことでw(むろん死生観には違いなんだけど、narcissuシリーズのような死生観の中にある自己愛みたいなものをeden*の中に見つけ出すことが出来なかった己に対するもどかしさ)。

淡々と言いましたが、ほんと今作は極まってると言いますか……ぶっちゃけやり過ぎ感はある。骨子にある地球滅亡もほんと滅亡するの?ってぐらい実感がなく、軍や宇宙移民反対派なども名前は出てきてもストーリーにさほど影響を与える展開でもない。まさに地球で最後の恋物語という謳い文句であるシオンと亮の物語を魅せるために設定として存在してるだけの妙。ここら辺は高橋しん氏の名作である最終兵器彼女に似てるといえますね。作中で人類は何と戦ってのかもわからないし、なぜ滅びなければならないのかもわからない、全てはちせとシュウジの恋物語を描くことだけに終始してる。最終兵器彼女の最終巻巻末の作者コメントで高橋しん氏は"二人の恋だけが、全てです。正しい正しくないなどは、意味を持たないし、リアリティーなど、ただ、それのためだけにあればいい。"と、述べておりましたが、eden*の場合もそうなんでしょう。そこにプレイヤーの想いや意志が介入する術はなく、受け入れるか受け入れないかだけである(もしこの作品がフルプラス作品としてリリースされていたとしても、これは変わらなかったと思います)。
もちろんeden*と最終兵器彼女は違う作品ですし、最終兵器彼女と違いeden*はこの先も人類は存続し続ける。終わりを約束された二人の蜜月も、生きて宙へと飛び出す人達の想いがあってこそ。その象徴がラビィであり真夜の存在。亮と精神的・設定的に近しい人物として、贖罪を抱えて宇宙という新天地が広がる未来に進む象徴がラビィであり、シオンが護った人類の未来の象徴としての存在が真夜。もう居なくなってしまった大切な人達と、未来へと進んで行く大切な人達の想いが交差して生まれた場所があの楽園であり、それらの想いが昇華され、二人の胸の中にある決して消せない思い出の風景こそがタイトルの示すエデンなんでしょうね。(極めて神的存在が語られないこの作品において、アダムとイヴのエデンの園伝説を当てはめると……神に見捨てられエデン(地球)を追い出された人類みたいな妄想が頭をかすめて怖くなったので以下検閲w)。

まあ、そこら辺の設定の淡々さは個人的には問題にはなりませんでした、どちらかと言えば物語的な精神的交流の淡々さの方が問題と言うか……ぶっちゃけ描写不足ですね。特に研究所編は駆け足すぎて感情移入できない。かつて失ったものを取り戻そうと軍隊に入り、自らの手を血に染め、いつしか目的を見失い、手段が目的になってしまったのが冒頭の亮の姿でしょうか。そんな彼が孤島の研究所任務でシオン、エリカ、ラビィ、少佐といった登場人物とふれあい、無くしてしまったもの取り戻したかったものを思い出す描写が決定的に少ないので、いくら死を間際にしたエリカの願いであり時間的余裕が無かったとはいえシオン脱走を積極的に推し進める姿に唐突感を感じる。たしかに展開的にはこれっきゃないと言えば無いんだけど、もう少しねぇ……。同じくラビィの心情や精神的なモロさを語るにも尺的なものが圧倒的に足りてない。欠落をわざと作って行間を読ます手法にも限度ってものがあるよねぇw

エリカと少佐については、これで良かったというか…二人とも終わりを約束されてしまったいたキャラなので。些か悲しくはあるけども、エリカには時間が、少佐には取り戻す彼の物語というべきものがもはや無い。故にシオンと亮は二人にとっての希望であり、為し得なかったものに対する願いだったのでしょう。

それらの事を踏まえて、二人が辿り着いた先である亮の故郷での暮らしは大変に美しい。シオンにとっては夢見た世界、籠の鳥として飛ぶことを許されていた研究所とは違う広大な世界。机上だけではけして知ることの叶わなかった本当の世界。亮にとっては、かつて護れなかったものの代わりだったものがいつの間にか代用品ではなく、本当に大切なものへと変化していく日々。緩やかに流れていく変わり映えしないけど、どれ一つ同じではものはない大切な毎日。依然として滅びの影は迫り来てるし、離別の瞬間も刻一刻と近づいてきている。だけども此所だけは永遠であり楽園であるような錯覚すら覚えるほどに美しい。

さて、この作品の中核である"地球で最後の恋物語"というキャッチフレーズを決定づけることになる起承転結の転にあたる出来事が、蜜月をすごす二人の元に現れる真夜の存在。個人的にゲーム発売前の事前情報をまったく仕入れてなかったこともあるんだけど、情報規制されてたのもあり、まるでefの羽山ミズキを彷彿させる(ミズキほど無敵で手に負えないトリックスターではないけど)真夜というキャラの存在には意表を突かれた。なにかしら魂的なものが摩耗してるところのあるeden*キャラ達の中で真夜だけが瑞々しい。その明るさと圧倒的な未来への可能性の姿はある意味白々しく、それ故に眩い生の息吹を感じる。なんだろうねぇ、このエグイ対比は……minori作品のツインテキャラにかけられた祝福という名の呪いか?失礼ながら、もんどりうって爆笑してしまった(たしかに対比としては効果的だけどエグすぎるわ)w
閉話休題……真夜はシオンにとって自分が護ったこれからの未来を生きていく人類の象徴であり、100年をかけて己がやってきたことが決して間違いではなかったと教えてくれた存在。亮にとっては地球脱出のタイマーであり、シオンと共にこの星の最後まで寄り添う決意を固めるための起爆剤(彼女の真の役割は未来において、その物語を語り継ぐことではあるけど)。

真夜の登場はシオンに護るべき人の中には亮も含まれており、自分の願いを叶えてくれて、ずっと傍に寄り添っていてくれる愛しい人を自分につき合わせて死なせてしまっていいのか? 彼は未来を生きていくべきだという思いと、離れたくないずっと一緒に居たいという相反する思いを自覚させる。その思いから一度は亮に地球脱出を促すほどで、シオンの願いを叶えることが最優先プライオリティである亮はそれに同意する。この時点では亮にとってシオンの願いを叶えることは、幼く無力だったが故に護れなかったものに対する後悔、命を賭けてこの穏やかな時間を作ってくれたエリカや少佐の想いに対する義務、それに自分が殺めてきた命への償いからもあったのでしょう。いや、とっくにその思いは変容しているのだけど、気づけてないだけであり、その証拠が夢でエリカに叱咤激励されるシーン。夢とは願望であり、本人すら自覚できていない心の奥を映し出す鏡。エリカの口から紡がれる言葉は亮自身の言葉であり本音。シオンの願いでもなく、他の誰の願いでもない、亮自身が最後までシオンと共にありたいと願う。この瞬間でしょうね、この物語が"地球で最後の恋物語"となったのは……。

この亮の行為を自殺と咎めることはできない、生きていればきっと…なんて誰が決めたことか? 誰が保証してくれることか? 大切なのは今この瞬間に抱いている想い。彼女の最期の瞬間まで傍で寄り添うこと。そして彼女が居なくなってしまった後も、彼女が愛した楽園で最後の瞬間まで精一杯生きる。シオンが死んだ後に、鶏が卵を産んだエピソードに代表されるように、まだこの惑星は生きているのだ。だからこそ彼は彼女に対してそうしたように、この惑星と最期まで寄り添い生きていく、自分と彼女の愛した楽園はまだ生きているのだから。それこそが彼が己の人生でようやく見つけた本当に守りたいもの。彼女と過ごした日々と場所が楽園であり続けるための彼にとって唯一の方法。
プシュケ(魂)の象徴たる蝶が乱舞するこの作品のOPムービーは、鎮魂の様相ではなく、いかように魂が流転しようが決して消えない楽園の記憶の象徴だと思いたい。

18禁の方のPLUS+MOSAICの方を少し語ると、ぶっちゃけ要らないともいえる。要らないと言うよりはシオンはあった方がいいけど、分割販売するほどのものでもない。個人的に亮とシオンの結び付きに、より精神的強固さを求めるならば、肉体的結合は効果的だとは思うのだけど必須とまでは言わない。他の三キャラについてはねぇ……この作品でそんな生臭さを醸しだされても困るって感じはなくもないw

若干長くなってしまったけど、最後に最終兵器彼女の最終巻巻末で高橋しん氏が語った言葉で締めたいと思う。(この作品を顕す上で、これ以上に最適なものが浮かばなかったので)。

ハッピーじゃないけど、不幸せじゃない。
正しくなんてないけど、間違ってない。
救いはないけど、記憶とその先だけはちゃんと、ある。


まさにこれが全てだと思う。


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[ 2009/09/22 06:00 ] ゲーム | TB(0) | CM(0)
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エロスとカオスと人外ロリをこよなく愛するマシーネン・アーリア人。

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